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スタッフ日記


お店やスタッフの身のまわりの出来事を 
日記にしてみました
「優しい朝ごはん」
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    1章 僕とボク キミ 彼女


    何もない。 とても退屈な日々。
    僕は、意思を持たずに生きている。
    意思など持たないほうが楽だと理解している。
    例えば辛いことがあろうと、やめたいと思わなければ直に慣れる。
    それが常となれば、何てことはない。

    僕はナニモノにも心動かされない。時々恐ろしくなるくらい僕は強い。

    月・火・水・木・金
    朝、起きて会社に行く。帰って眠る。
    時々同僚と飲みに行ったりもする。
    永遠に終わりそうにない上司の愚痴を、笑いもせず、驚きもせず、嫌な顔もせず、ただ聞く。
    こんな人間に話して楽しいのかとも思うが、きっと誰も僕の反応を期待して話しているわけではないのだろう。だから、僕も断ったりはしない。
    そこにいるだけで良いのだから

    週末は彼女に会う。
    1週間分の彼女の話を聞く。きっと相槌なんていらない。
    「頑張ったね」最後に言う。
    彼女は僕を求めてはいない。自分を認めてくれる人間を求めている。
    だから僕は彼女に会うことは苦ではない。
    そこにいるだけで良いのだから

    日曜はキミを思い出す。そして手紙を書く。
    ボクに帰る7分の1日。

    あの時のボクは恋をしていた。
    自分のことを話さないその子は、なんとなく淋しそうで、だけどいつも笑っていた。
    ボクの話を楽しそうに聞いていた。時々ケラケラ笑うのが嬉しくてボクは必死に喋り続けた。
    飽きることなくキミの笑顔をボクは求めていた。毎日毎日キミのことを考えてた。


    なんだかボクはキミを幸せにする自信があった。
    キミと居ればどこだって楽しかったし、キミも笑っていたし、
    色んなところに行ったし、とても大事にしていた。
    愛していたし、愛されていると感じていた。
    だから、全て大丈夫だと思っていた。

    1年くらいしてボクらは一緒に暮らし始めた。
    それからも、ボクはとても穏やかでただ幸せだった。
    朝ごはんを食べて、仕事に行って、帰ればまた色んな話をした。
    変わらずキミを想っていたし、大事にしていた。

    だけどキミは突然、消えてしまった。

    目が覚めると隣にキミがいなくて、「ごめんね」だけのメモがあって
    戸惑ったけど不思議と驚かなかったのを憶えている。

    「考えていた」けどわかってはいなかった。
    「想っていた」けど満たせるわけではなかった。
    そのことに気付かないふりをしていた。

    だけど、まだ間に合うと思った。
    ちゃんとキミと向き合おうと、本当に幸せにしたいと思った。


    次の日やっと会えたキミはもう、笑ってなかった。
    本当に愛しく思ったのに、死んでしまった。

    だから、ボクはボクを卒業した。あんなに苦しいのはもう嫌だったから。
    キミがいなくなったボクは、存在しなくて
    僕はキミを知らない、退屈な僕。

    退屈な僕には綺麗な彼女がいる。
    彼女はきっと気が強い。それくらいしかわからない。
    それもなんとなく。
    わかろうともしていないし、わかられているかなんて彼女は考えてない。

    僕らはそれだけで成り立っている。
    ただそれだけの関係。

             LIMO










    |10:37| novel | comments(0) | - | posted by 美容室captif - -
    CAPTIF NOVEL 「優しい朝ごはん」
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        プロローグ


      僕の唇がまた一つ嘘をついた。
      彼女を愛している。と

      彼女は笑った。
      だけど僕の心は何一つ動かない。
      3年7ヶ月前から僕の時計は止まっている。

      こうして手紙を書いている時だけ僕はここに存在する人間となる。



      君へ

      やっとあれから4年経つんだ、忘れてないよね?
      また一緒に暮らせるね。

      彼女と知り合ったのは君が居なくなって1年後くらいだったと思う。
      君のお兄さんに紹介されたんだ。悪い冗談だと思うだろ。
      だけどどうやら本気で「もういいから。」って何度も言うんだよ。
      お兄さんどんな顔してたと思う?泣いてたんだよ。
      だから彼女と付き合い始めて、もう3年も経つんだな。

      彼女はね、勝気でクール。君とは真逆だよ。
      すごくきれいな子。これも君とは真逆だね。

      僕は今、傷つくこともなければ、傷つける必要もない。
      だって僕は彼女を愛していないから。

      これもあの時とは真逆だね。

      やっと、約束の時間が近付いて来たね
      会えたなら一緒に朝ごはんを食べよう




                  Limo







      |18:17| novel | comments(0) | - | posted by 美容室captif - -
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